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▲CONTENTS 吉江庄蔵 野本希望 後藤剛史 高野栄太郎

吉江庄蔵「皮膜彫刻展」2006年4月8日〜5月7日

 皮膜彫刻、それは人体に外部から被せてつくるプラスチックの脱殻である。プラスチックでなければならない理由が唯一あるとすれば、それが素材として、記憶を持っていないということにつきる。プラスチックは過去へのノスタルジーに欠如している。だからこそ逆に、夥しい記憶の扉を開き、自分でありながらも自分ではない形を象ることをかなえてくれる。
 熱で暖められたプラスチックの板は、骨抜きになり、へとへとに歪む。ひとりではとても扱いきれないので、介添え人の手が必要になる。死者を葬る際、多くの人の手を借りるように、このプラスチック板も複数の手により葬られてゆく。埋葬する手、忘却する手、あるいは記憶する手。
 消え去ろうとする変容のありようを、肉体に一番近い皮膚で収束する。その後に残された忘れもの、常に遠のいてゆくかたち。奪われた記憶、死んでいるかたち。何か呟いているようで、それを聞くために近づいても、距離がとても遠くて、五感では計り知ることができない。
 いつも諦めと期待の入り交じった気持ちで、仮死の脱殻の前に立つ。記憶の風をはらんだ静脈を指先でたどりながら、また白紙の皮膜に迷い込む。 吉江庄蔵「皮膜彫刻断想」(抜粋)


劇場内展示作品
青い風
痕跡
  空洞の肖像
風のたたずまい

彫刻家 吉江庄蔵 皮膜彫刻・舞台美術

富山生まれ 東京芸術大学彫刻科卒業 同大学院彫刻科修了
●1975年 土方巽舞踏作品の舞台制作に関わり始める。以来、多くの公演に美術家として参加する。
●1976〜1985年 新具象彫刻展(東京都美術館)
●1985年 現代美術の祭典 優秀賞受賞(埼玉県立近代美術館)
プラスチックで人体の記憶を型どる皮膜彫刻を初出展、彫刻界に大きな衝撃を与える
●1986年 皮膜彫刻展(テレブシコール、真木画廊)
●1987年 ミニミニ美術館(東京 練馬区立美術館)
現代のイコン展(埼玉県立近代美術館)
●1988年 アーティストたちの協奏展(東京 AXISギャラリー)
個展「皮膜彫刻展」(富山県民会館)
「'88 富山の美術」(富山県立近代美術館)以降、90・91・95年に出展
●1989年 「'89 C.A.F.展」(埼玉県立近代美術館)
●1990年 個展「風の静脈を剥ぐ」(京都 江寿画廊)
●1991年 舞踏とのコラボレーション作品「青い柱」にて舞台上で皮膜彫刻を制作(池袋西武スタジオ200)
個展「皮膜彫刻展」(富山 新桜町ギャラリー)
●1992年 改訂版「青い柱」上演(広島県立近代美術館)
皮膜彫刻パフォーマンス「青い柱」上演(アートスペース砺波)
個展「皮膜彫刻展」(アートイベント砺波 '92)
「いだかれた翼」コラボレーション(渋谷ジャンジャン)
●1993年 「日月譚」舞踏・マルチイメージコラボレーション(渋谷西武シードホール)
「幻青」コラボレーション(富山市民プラザ)
●1994年 KARADAがARTになるとき(東京 板橋区立美術館)
●1995年 イベントトーク Part 4 第2回「美術表現におけるからだ」(名古屋 愛知文化センター)
「沈める滝」コラボレーション(東京 P3ギャラリー)
「天衣の消息」皮膜彫刻設置(富山県 立山博物館野外施設 天界窟)
個展「皮膜彫刻展」(東京 ストライブハウス美術館)
●1996年 からだのワークショップ「Mask, Body, Movement - もうひとりの自分を見る」(東京 目黒区立美術館)
●1997年 大谷'97「趨光展」(栃木 大谷資料館)
「美術と舞踏の土方巽展」出展および展示構成(静岡 池田20世紀美術館)
●1998年 「幻想の地誌学 舞踏公演」舞台美術(東京 シアターΧ)
●1999年 アイコンとしての身体・表現する身体「皮膜彫刻パフォーマンス」(東京 世田谷パブリックシアター・トラム)土方巽 '98 参加 ダンス・コルプス
●2000年 「人間の水」好善社舞踏公演・舞台美術(神奈川 湘南台文化センター市民シアター)
「月姫」小林嵯峨舞踏公演・舞台美術(東京 世田谷パブリックシアター・トラム)
●2001年 個展「皮膜彫刻展-際に咲く-」(東京 スパンギャラリー)
●2003年 皮膜彫刻展「からだのゆくえ」(松本市美術館)
本木幸治、梅津和時、多田葉子とのコラボレーション
他、個展・舞踏とのコラボレーション・舞台美術を多数手掛ける

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